詩:煤ロンド

文字数の多い月曜日

原稿用紙いっぱいに敷き詰められた収まり切らない人間が、すし詰めの車両に等しく酸素を薄くする

書き切れない感情が最後のマス目を超過する

はみ出し者の言葉が私を私たらしめるから、私たちはもっと饒舌になったって良かった

改行も段落も鉤括弧も句読点も、あなたを縮めるだけならもう何一ついらない

このマス目を一つ一つ塗り潰して、一枚の真っ黒いペーパーが仕上がる

例え真っ白で居られなくても、その境界も枠線も全て取り払う必要があった

その舞台にこそ際立つ白で言葉を紡げるのはあなただけ


誰にも価値をつけられるな

誰にも価値をつけられるな

誰にも価値をつけられるな

その頼りなさを

その弱さを

あなただけの闘いを



戦火跡、静かに咲くその一輪のように、揺れている優しさがそこにはあるだけ

いつまでも揺れていられる優しさを手にした者たちが、ススをつけたままの顔でそっと微笑んでいるだけ

顔を上げたら手の甲で拭う時間が、何度でも何度でも何度でも続くだけ

何度でも何度でも、続いていくだけ




タイトル命名:武田地球