ことばは

電車を乗り過ごしてご飯を食べ損なうとか、ファンデーションを落として割ってしまうとか、そういう誰にも何にも言えない、どこへもゆけない悲しみと一緒に居るときがある。そんな悲しみ、どこにでもあって誰だって感じたことがあるんなら、俺たちはもっと本当は分かり合えるはずなのにって思った。

でも、生きている上での罪はあまりに重く、深夜の月に向かって泣くこと、唯一それくらいしか許されないようなどうしようもなさを抱えた私たちは、行くところなんかなくて、弱いのに、強さを追いかけて追いかけた。

罪を洗う場所なんてないのに、そういうことなら月でだろうという詩を書いたあの心。今はそれさえも都合が良すぎることと思われて、詩人は聖人でなくても良いかも知れないが、俺は俺の言葉を信じられるだけの命を生きていないことだけは確かだ。そうではないか。どうなんだよ。