詩:水切り

公園の陰

遊具トンネルの中

少年が水鉄砲を撃つ

撃つ

ジジ

撃つ

ジジジ


鳴かされている

君が後で泣く分の声を先に鳴いている


撃つ

ジジ

撃つ

ジジジ

撃つ撃つ

ジジジジー


汗を拭うその子が顔を上げきる前に置いてきぼりにした夏

強く踏み込まれたペダルの接続部が上げる悲鳴は無視した

詩:ひらいた

しちじ

きゅうじつ

めがあかない

存在輪郭線の滲み

汗の浸透

ひかりより嗅覚で、都合五時間ほどの経過と夏の継続をまたもや知らされる

鼻に通る空気を感じる

昨日以前の引き継ぎを寝惚けながら曖昧に決める


全世界ナイトクローラー

朝のテレビ、SNS投稿動画の紹介

高所でスマイル&ピース

路上喧嘩

動物虐待スレッドタイトル 

昨日以前の引き継ぎを

引き継ぐ世界を間違えたようでクラクラするが「ここがそうなんだよ」と言い聞かし、今、ようやく敷布団に手をついているところ


シャワー

昨日丸一日干しっぱなしにした洗濯物の取り込み

辛うじてシンクを片付けた昨夜のお前偉かったなとか

揺れてら洗濯物

洗濯機回して取り込んで干した、洗濯物、揺れてら

なぁ、お前今、どんな気分?

この季節は乾くの、ほんとはぇんだよな

室外機のホースからちょろちょろと流れる

溝の流れが停滞してる

埃や毛やゴミ

色の変わった赤い水

腐るより先に乾いてく

冬はそもそも腐らねぇんだよなぁとか

二日目、エアコンにずっと当たって、どっこも出かけない身体、いやむしろ心を、太陽に照らしてもらっていた

都合よく水のようには出ないね

汗がジワリ知らせる現在

未来、どうなんのかね

未区分:7/29

‪例えばある言葉を公に発信することが世界を悪くするということ、想像出来るだろうか。行いについても同じく。‬

例えば順番抜かしが、無関心が、不親切が、人を傷つける言葉が、生産性の無い人間は価値が低いという思想を自らが抱いていると表明することが、ポイ捨てが、信号無視が。ともすればある人には取るに足らないそれらが。

伝播するということ。

「知ったことではない。」

本当にそうか。


目の前で笑う人には優しくするのに、あの人のことは知りたいのに、家族、子どものことには関心があるのに。

大切な人、家族、知り合い、挨拶するだけの人、いつも見かける人、見知らぬ人、どうでもいい人。

出逢いをそれぞれに振り分けて、あるいはもっと深くしたり浅くしたり。何なら千切ってしまって。


‪例えばある言葉を公に発信することが世界を良くするということ、想像出来るだろうか。行いについても同じく。‬

例えば順番を守ることが、関心を持つことが、親切が、人をやわらげる言葉が、生産性の無い人間は価値が低いという思想を自らが抱いていると表明する人と闘うことが、ゴミ拾いが、信号を守ることが。ともすればある人には取るに足らないそれらが。

伝播するということ。

「知ったことではない。」

本当にそうか。


出逢いをそれぞれに振り分けた。

もっと深く出来た。

傷つけなくてもよかった。

千切ってしまわなくてもよかった。



本当にそうか。いつも尋ねたい。本当にそうかと。



世界を作るのは私たちである。

世界を作るのは私たちであると、こんな時代に真っ向勝負叫びたい。



クヮン・アイ・ユウ

詩:(なぁ)今ちょっと諦める(からあんたよろしく)

頭突きで割った教室の窓

逃げ出したバッタ追って窓の外

投げた椅子

張り倒した友

疑惑

誰かのズルさが新品のパーカーを汚して

流石に根に持ってなんかいないんだろう?

立ち回った

「いじめっ子」と呼ぶには足りない

もっと陰湿な醜さを

相殺なんかさせねぇぞ

一生


「なぜか蝉の鳴き声が嬉しい。」なんて言ったら不謹慎かな

クーラーのない部屋で孤立して耐えるその人を

夢を諦めたのはいつだったか

諦めた後にも続くんだよな人生は

人生を諦めた後にも続くんだな命は

諦めた後にも引き継がれるんだな

「誰がどう生きたか」

夏夕の心地いい風に浮かれて小銭数える暮らしからも浮かばれそうだな

あはは


俺、詩はまだ書いているし生きている

あの人が生きているから

「もうええねん。」とか投げやりに笑うのに、まだ生きているから

‪あーやって笑うのは、いつかのお前そのものかもな‬

この世界はもしかしたら

もしかしたらこの世界は

順番に諦め合って(立ち上がり合って)成り立っているのかも‪な‬

未区分:白縁

被虐者の中には世界に復讐する者も出るだろう

ましてや幼ければ、自制もきかぬだろう

自己愛の追求は一見して安易な自己救済その実地獄

気がつき立ち止まったら贖罪の日々を

誤りのない大人は居ないから、今からでも向き合えばいいのに

逃げれば逃げるほど重くなる実存

重くなるから軽くなる

軽くなるため、人を傷つけ続ける方向を転換しない

はじめからおわりまで離散的には在りたくないと心で願いながら蓋をして、どうせはじめからおわりまで離散的なのだからと今更目の前の人間を傷つけて破壊することに痛みはない

まして、世界を悪くすることに実感など無い

他人は他人だし、その知り合いも友達も家族も結局は他人なのだから

つまりいつか自らを破壊した世界なのだから


これまで根気強く呼びかけ続けた人間が、いよいよ最期に一度だけと断りを入れた上で、すがるように願いや想いを訴える

その後には何も無い

その跡には何も無いか

人間が散る現象とその後を見ていた人が選択肢を前に立っている

選択肢を前に、立っている


自らもいつかあんな風に事切れてしまうのかと問いかける

いいじゃないか

くだらない人間が似合う

くだらない人間でいい

どうせくだらない世界なのだから

くだらない世界なのだから




説き伏せた行間に

語らずの想いに

浮かび上がる心を感じているか

散文:もう仏像ではなくなってしまう

これ以上削ったら、もう仏像ではなく木片になってしまう。


大木から切り出して来て仏像を作ることが表現なら、一般の人にそれが仏像(芸術)であると認識してもらうことが可能・不可能の境界線まで考えて考えて手を加え、認識可能な範囲でのそれが芸術表現なのかも知れない。

それを超えて、木片になってもいいからとまだ削ることを選ぶことは、芸術ではないけれど、とても大切な表現であるように思う。

人に伝わらなければ芸術表現ではないけれど、承知のうえでその先へという話。

散文:派手さのない尊い

生まれて来て、ただそこに居るだけで尊いという価値伝達の失敗だ。

普通ではないから、はき違えたままの特別を目指した。世界というステージ上の舞台装置を利用すれば、それを装うのは容易かった。しかし本当は、普通にも特別にも届かなかったお互いを認め合うことの方が必要だった。そしてそれには忍耐が問われるから、断念した多くの人々は、偽物の特別さに向かっていった。

誰かや何かを槍玉にあげて、その人や事象を見つけて来た自分を特別とした。何のことはない。裸にしてしまえば、俺もお前もあなたも君も違いは無かった。その多くが、普通さも特別さも持たない生き物だった。それでも人間である為にはただその一つが必要だ。それを手放せばもう人ではなくなる。そういうものが。

お互いを認め合うことは根気が必要だ。その癖得られる結果に派手さはなく、価値は自らで付与するしかなかった。

認め合うには伝えることが必要で、知る必要があった。